どんなに経験を積んでも、新しい課題づくりを忘れない大月香奈さん。
仕事での実績を上げるために職場の環境を変えたり、学会での発表にも意欲的です。
そして2015年には、日本歯周病学会認定歯科衛生士の資格を取得!
前に進み続ける大月さんに行動のきっかけを与えているのは、拡大鏡サージテルだといいます
私は、いつも新しいことに挑戦できる人間でありたいなと思っています。特に歯科衛生士の仕事は「ここまでできればOK」というものでもないし、知らない世界に踏み込めば踏み込むほど自分に幅を持たせることができる。大好きなこの仕事を楽しく続けていくためにも、前に進み続けたいんです。
こうやって考えるようになったのは、今の医院に移ってきた臨床7年目のときでした。それまであまり接する機会のなかった重度の歯周病患者さんを診るようになって、いかに自分が未熟だったのかを知ったんです。
当時は5倍のサージテルを使っていたのですが、ポケットの深いところに歯石が見えるのに全然取れない……。中途半端な技術しかなかったため、スケーラーがうまく操れなかったんですよね。ある程度の経験があったにも関わらず、やるべきことすらできない。そんな自分がすごくイヤでした。
さすがに危機感を覚えてさっそくチャレンジしたのが、歯周病学会認定歯科衛生士の試験です。「これは本気でモノにするぞ!」と意気込んで臨みました。資格を無事に取得することができ、最近はますます歯周治療に熱が入っていますよ。
ステップアップする〝きっかけ〟をくれたのは、他でもないサージテル。診る力を上げる道具だと思っていましたが、気持ちまで奮い立たせてくれました。
今は倍率を上げて、7倍のレンズで患者さんの口腔内を見ています。スキルが上がったこともあり、歯石に触れている感覚が以前よりもわかるようになったので時間も労力も減りましたね。もちろん、どんなに見えていてもSRPではどうにもならないこともあります。それでも私のところでできる限りのところまで処置するかしないかでは、歯科衛生士としての覚悟が全然違うんです。
新しいことに向かっていくのは、やっぱり勇気が要ります。結果的にメリットがあるとはわかっていても、「大きなリスクを伴うんじゃないかな」「やめたほうがよかったかな」と途中で怖気づいちゃう。できない理由やダメな理由を頭の中にバーッと並べて、時間をかけて考えることもあります。
だけど、そういう負の部分にも目を向けるからこそ「じゃあどうしたらそのリスクを減らせるだろう」という視点に切り替えられるんです。歯周病学会の認定試験も正直どうしようか迷ったけど、サージテル越しに直視した自分のスキルの未熟さはどうしても見逃せなかった!そう考えると、この子が背中を押してくれたから前に進むきっかけを見つけることができたんですよね。これからも私の歯科衛生士人生に、ずっとついてきてもらいたいです。
私が歯科衛生士として成長すれば、医院の強みがプラスされて発展につながります。患者さんにもより質の高いメインテナンスを提供できるから、〝歯が残せる人生〟をちゃんと送ってもらえるんです。患者さんや身のまわりにいる人を含め、私が一生懸命な姿を見て「歯科衛生士ってステキ!すばらしい!」と感じてくれたらうれしいな。そう思いながら、日々仕事に取り組んでいます。